
書籍をご紹介します。
著書名:交通政策- ドイツにおける新しい潮流―
著者:オリヴァー・シュヴェーデス 編著/三上 宏美 監訳/ドイツ交通政策研究会 訳
出版年月日:2019年10月20日
出版社:ミネルヴァ書房
ISBN: 9784623085965
概要:
本書は、ドイツにおける交通政策に関する知見を摂取すべく、日本語版への翻訳がなされたものである。序章で、「交通の政策科学」と指摘があるように、学際的な視点から交通政策の検討がなされている。まず、交通の諸側面として、モビリティデザイン、行動科学的視点、環境的観点、経済的視点、交通計画やバリアフリー的視点等からアプローチがなされる。つづいて、政策的意思決定、貧困、社会化、渋滞、交通安全、サービス性、都市交通、自動車、自転車といった交通政策の中心的論点が提示される。その上で、将来を考える未来研究と持続可能なモビリティの可能性が検討されている。
https://www.minervashobo.co.jp/book/b472688.html
交通問題の特徴は、多くの社会的課題が重複し、互いに大きな影響を受けることにある。本書は、先進的研究と実践を進めているドイツの「交通政策」の入門書。様々な分野の専門家が「交通」を主軸に最新の研究を論述、その複雑な構造を明らかにし、これまで個別的アプローチであった諸課題を総合的に把握する。日本の今後の交通政策を探る上で、必読の書といえる。(原書 Oliver Schwedes(Hrsg.),Verkehrspolitik,Springer, 2011)
目次:
まえがき
序 章 交通の政策科学について
第Ⅰ部 交通の諸側面
第1章 交通と社会――モビリティデザインとしての交通政策
第2章 人間と交通――行動科学的基礎にたった経験に基づく交通政策への提言(セバスチアン・バ第3章 交通と環境――交通政策の上位目標と環境視点の役割について
第4章 交通と経済――交通の国民経済的意義
第5章 交通と交通学からみた交通政策上の挑戦
第Ⅱ部 交通政策の中心的論点
第6章 歴史的視点からみた交通政策
第7章 政策学からみた交通政策の意思決定
第8章 モビリティと貧困――交通における社会問題
第9章 モビリティの社会化――社会形態と利用交通手段の関係
第10章 渋滞現象
第11章 交通安全
第12章 公共交通における顧客の権利と顧客サービス
第13章 都市交通
第14章 余暇における交通行動と余暇交通
第15章 公共交通
第16章 自動車と自動車信仰
第17章 徒歩と自転車交通――柔軟で、モダンで、化石燃料後の交通手段
第Ⅲ部 交通政策の展望
第18章 交通政策と未来研究――「将来のためのモビリティ」を考えるために
第19章 将来のためのモビリティ
文責:小田切康彦(徳島大学)