モヤモヤのボランティア学

書籍のご紹介です。

書籍名:モヤモヤのボランティア学 私・他者・社会の交差点に役立つアクティブラーニング
著者名:李 永淑 編
出版年月日:2023/03/31
ISBN:9784812222119
定価:2,640円(本体2,400円+税)

概要:

本書は、ボランティアの複雑さと多様性を「モヤモヤ」というフレーズで表現し、新しい学び方を提案しているテキストである。序章では、ボランティアがなぜ「モヤモヤ」なのかについて、個人、他者、社会、との関係性から説明がなされている。第1章では、学校をテーマに、不就学児の実態と課題、万人ための教育の在り方について事例が紹介されている。第2章では、地域福祉におけるボランティアのあり方とソーシャルアクション、それらの活動の限界と克服方法について解説されている。第3章では、児童虐待問題が取り上げられ、そこにおけるボランティアやNPOの実態が記述される。第4章では、大学生にとってのボランティア活動とキャリア形成の関係ついて、その意義や意味が検討されている。第5章では、文学という視点から、自己表現とボランティアの関係性について検討がなされている。第6章は、在日コリアンを事例に、マイノリティとボランティアとの関係、そして、ボランティアの強制性等が検討されている。第7章では、演劇による社会貢献としてのボランティアが取り上げられ、他者のためになる支援とは何か、という問いが掘り下げられている。第8章では、ボランティア活動における違和感とオモロサが紹介された上で、他者の他者性を尊重することの重要性が指摘されている。第9章では、紛争地域におけるボランティアについて、砲弾を処理する女性や武装組織の志願兵の実態と、そこでの自発性や暴力性のあり方について説明が行われる。第10章では、アートを活かしたボランティア活動について、動物園やボルネオ島における環境教育、そこでのボランティアの実践が紹介されている。第11章では、フードバンク活動を事例に、食品ロス問題や大量消費問題に対する活動におけるボランティアのあり方が検討されている。そして第12章では、医療をテーマに、病院ボランティアや放射線除染ボランティア、戦時動員、等が取り上げられている。本書は、各執筆者の実体験をベースにした実践的な学びを提供する良書である。

モヤモヤのボランティア学 私・他者・社会の交差点に役立つアクティブラーニング

ボランティアやってみてどうだった?何か感じた? 相手はどうだった? そんなこと分からないって? 答えが一つでない世界で誰もが一度ならず抱くモヤモヤ。学校、病院、文学、アートなど様々な場所・分野で活動する筆者たちが心の奥を語ります。あなたも一緒に考えてみませんか?

目次:

序 章 ボランティアは「モヤモヤ」を提供するのか
第Ⅰ部 「思い」から考えるボランティア
第1章 学校――ボランティアは何を励ますの?
第2章 生き方――「ボランティア=人生」はあり? なし?
第3章 原動力――「児童虐待をなんとかせねば」突き動かされる思い
第4章 キャリア形成――ボランティアって就活に役立つの?

第Ⅱ部 「他者」から考えるボランティア
第5章 文学――自己表現を支えるボランティア
第6章 在日コリアン――ボランティアをする/しないの境界線
第7章 演じる――分かった「つもり」のボランティア?
第8章 関係性――他者の他者性に気づく

第Ⅲ部 「正しさ」から考えるボランティア
第9章 紛争――「正しさ」を疑う
第10章 アート――人に必要な知識を伝える道具
第11章 食――ボランティアから気づく社会のモヤモヤ
第12章 医療――労働とボランティアの境界
終 章 「私」を生きるボランティアの隣の「他者」と「社会」

文責:小田切康彦(徳島大学)