The 12th ISTR Asia Pacific Regional Conferenceに参加して

峯村 遥香

(ISTR, “Report on 12th ISTR Asia Pacific Conference” より)

2022年12月7日から9日にかけてマレーシア大学サバ校で行われました、第12回ISTR (International Society for Third Sector Research) アジア太平洋分科会に参加して参りました。私にとって初めての国際学会であり、また初めてオンラインではなく対面で参加する学会でした。

大会概要

今回のテーマは“Active Civil Society: Post-crises Rebuilding, Mobilizing and Innovating”でした。ISTRが発表した開催報告によれば、総勢62名の参加登録があり、うち35の論文報告と2つのラウンドテーブルが開催されました。論文セッションでは市民社会、社会的企業、フィランソロピーなど多種多様なテーマを掲げた14のセッションが行われました。それに加え、東南アジア諸国のデモクラシーと市民活動に関するパネルトークやマレーシアにおける協同組合に関するプレゼンテーションなど、市民社会を中心とした様々なコンテンツに触れる機会が用意されていました。また、私は参加しませんでしたが、5日-6日の2日間にわたり、PhDセミナーが開催されマレーシアのNGO訪問や勉強会が開催されました。

感想

私自身は“Developing Southern Theory for Third Sector Studies”というセッションに参加しました。当初、ポスター発表での参加を予定しておりましたが、大会運営側からの依頼で論文発表のセッションに参加しました。NPOの日々の業務改善活動がもたらす組織文化への影響について、自身が日系NGOのカンボアジア支部で実際に行ったアクションリサーチの事例について報告しました。アクションリサーチにおいて実践者と観察者としての視点をいかにして分けるか、観察してきた事象を分析するために先行研究を増やし分析のベースとなる理論に厚みを持たせるべきなど、貴重なアドバイスといただきました。本研究としてまだ未完の段階であり、今回のいただいたアドバイスをもとに今後修士論文として研究を完成する予定です。私が参加したセッションを含め、複数のセッションで各国のケーススタディが取り上げられており、それぞれの国と地域のサードセクター事情について触れられた大変興味深い学びの機会でした。

今回の初めて対面の学会に参加し、国外に研究の道を志す若手研究者の仲間ができたことは、大変励みになりました。またオンラインでしかお話ししたことがなかった日本の研究者の方々にも初めて対面でお会いすることができて嬉しかったです。これまでオンラインで学会に参加してきたからこそ、対面参加ならではの価値を実感しました。

最後に、本学会への参加に際し若手研究者への国際学会参加支援助成金によるお力添えを賜り、心より感謝申しあげます。