岐路に立つ指定管理者制度

書籍をご紹介します。

著書:岐路に立つ指定管理者制度- 変容するパートナーシップ -

著者:松本 茂章 編著

出版年月日:2019年7月2日

出版社:水曜社

ISBN: 9784880654638

概要:

本書は、文化政策の観点から、本格導入されて10年以上経過した指定管理者制度の在り方を評価したものである。本制度をめぐる公民パートナーシップの理論的な検討から、全国各地における指定管理者事例の統治形態や実践に関する報告、そこでの連携の課題とその要因、そしてガバナンスのあり様まで、丁寧な検討が行われている。自治体の財政難を背景とするコストカット手法と捉えられがちであった本制度をめぐっては、さまざまな課題が指摘されてきたが、本書では、そうした課題を踏まえつつ、今後のコミュニティづくりの基盤となる行政と民間とのパートナーシップの本質に迫ろうと試みている。

http://suiyosha.hondana.jp/book/b451801.html

2003 年に施行された指定管理者制度。同制度で成果を上げてきた文化施設、上手く活用し地域社会との協働体制を構築している自治体と、成果を上げる事が出来ない文化施設、自治体の差はどこにあるのか。本書では主に文化施設の管理と運営に焦点を当て「ハコモノ」行政から転じていかにして施設を活用するか、コストダウンの手法と捉えられがちな指定管理者制度の本質を問いかける。同制度実施後の10 年余を振り返り、行政と民間におけるパートナーシップの変容を明らかにし、自治体文化財団の生き残り策、民間企業や非営利団体の参入の経緯などを浮き彫りにしながら、指定管理者制度と文化施設、文化行政のこれからを描く最新刊。

目次:

【第1部】 指定管理者をめぐる理論
第1章 指定管理者制度の運用を改善していくためにー本格導入から10余年を経て
第2章 文化芸術分野における「物と人の混合」-公の施設の指定管理をめぐる公民連携・公民切断の効用と課題
第3章 地方自治体が指定管理者制度を苦手とする本質的要因と課題克服の方向性

【第2部】 指定管理者の事例分析
第4章 地域ガバナンスと指定管理者制度ー地域経営の新たな統治形態
第5章 全国各地からの報告
第6章 関係者に聞く指定管理者制度の最前線

【第3部】指定管理者制度の可能性
第7章 市民のキャリアデザインと地域コミュニティの拠点づくりをめざすー野田市郷土博物館の事例を通して
第8章 民間が運営する指定管理者施設の課題
第9章 指定管理者の光と影 -そのガバナンスとマネジメント
おわりに

文責:小田切康彦(徳島大学)