
書籍をご紹介します。
著書名:まちの居場所、施設ではなく。- どうつくられ、運営、継承されるか ―
著者:田中 康裕
出版年月日:2019年11月20日
出版社:水曜社
ISBN: 9784880654751
概要:
コミュニティ・カフェ、地域の茶の間、まちの縁側といった地域における様々な場所を「まちの居場所」と捉え、そこが課題を抱える人々にとって重要な「場」となることを検討したのが本書である。近年、サード・プレイス研究に注目が集まっているが、本書もこうした「場」に関する有益な知見を提起している。本書では、東京都江戸川区における喫茶店、大阪府千里ニュータウンの空き店舗、岩手県大船渡市の居場所ハウス、新潟市における地域包括ケアモデルハウス、の4つが事例として紹介されており、そこにおいて何が重要視され、それらがどう継承されているのかが、考察されている。
http://suiyosha.hondana.jp/book/b482395.html
2000 年頃から、従来の施設にあてはまらない新たなタイプの場所が同時多発的に開かれるようになってきました。「コミュニティ・カフェ」「地域の茶の間」「まちの縁側」などと呼ばれるこれらの場所は、介護、生活支援、育児、退職後の暮らし、貧困といった従来の制度・施設の枠組みでは十分に対応できない課題に直面した人々が、自ら課題を乗り越えるために開かれたいう共通点があり、このような場所を「まちの居場所」と呼び、研究を続けてきました。本書ではオープンの経緯と運営内容と地域が異なる4つの場所について取り上げ、その具体的な姿を描きながら「まちの居場所」では何が大切にされ、どのように継承していくのか。地域への影響と実績、共通点や今後の課題などについて論究。地域における豊かな暮らしを実現し、活力ある少子高齢化社会の構築のために「まちの居場所」の役割と重要性を考える最新刊です。
目次:
第1章 4つの「居場所」
第2章 施設ではない「場所」
第3章 親と子の談話室・とぽす(東京・江戸川区)
第4章 ひがしまち街角広場(大阪・豊中市千里ニュータウン)
第5章 居場所ハウス(岩手・大船渡市)
第6章 実家の茶の間・紫竹(新潟・新潟市)
第7章 運営の継続
第8章 「私」と「地域」にとっての価値
第9章 価値を継ぎ、さらにゆたかに
文責:小田切康彦(徳島大学)