多様性が拓く学びのデザイン

書籍をご紹介します。

著書:多様性が拓く学びのデザイン-主体的・対話的に他者と学ぶ教養教育の理論と実践―

著者:佐藤 智子 編著/高橋 美能 編著

出版年月日:2020年2月27日

出版社:明石書店

ISBN: 9784750349749

概要:

本書は、多様性をテーマに、他者との協同的に学ぶ意義や手法を取り上げ、大学教育に関する理論と実践について検討したものである。第1章では、大学教育におけるアクティブラーニングの定義・教育原理・指導方法・課題等が検討され、その限界を超えたデザインの必要性が指摘される。第2章では、ボランティア学習における対話論・授業方法・現場での学び等が取り上げられ、野宿者支援の現場の事例が臨場感を持って語られる。第3章では、国際共修授業の実践と工夫がテーマとなり、言語と文化を超えた学生の学び合いが検討されている。第4章では、言葉の壁を超えるトランス・ランゲージングの分析法と学びがテーマとなり、第5章では、サービス・ラーニングの現状・実践・課題が整理されている。そして第6章では、アートプロジェクトにおける思考と学びが提示されている。本書からは、多様な創造的学習の事例を基に、他者との学びのデザイン、とりわけ、主体的な学びをいかに促すか、学生の関心にどう寄り添うか、学習過程において感覚・感情・感性等を重視しいかにそれらを活かすか、といった一貫したメッセージが受け取れる。

https://www.akashi.co.jp/book/b505968.html

「他者」との協同的な学習が推奨される教育現場で、いかに効果的な学習を促し、学習者の自律と社会的な共生を促すことができるのか。アクティブラーニングなどの実践から「多様性」が拓く学修の可能性を検討し、大学での教養教育デザインを再考する。

目次:

第1章 「他者」と学ぶ教育原理とアクティブラーニングの授業デザイン
第2章 社会的マイノリティとの「対話」に向けたボランティア学習
第3章 言語と文化の違いを超えて学生が学び合う国際共修授業
第4章 「言語の壁」を超えるトランス・ランゲージングの学び合い
第5章 コミュニティとの協働から学ぶサービス・ラーニング
第6章 アートプロジェクトから学ぶ教養としての創造的思考

文責:小田切康彦(徳島大学)