
書籍のご紹介です。
著書:入門ソーシャルセクター 新しいNPO/NGOのデザイン
著者:宮垣 元 編著
出版年月日:2020年12月1日
出版社:ミネルヴァ書房
概要:
本書は、NPOやNGOをはじめとする非営利組織を「ソーシャルセクター」と捉え、その基礎をわかりやすく解説したテキストである。第1章と第2章では、ソーシャルセクターの定義や見取り図、ボランティアとは何か、NPOの存在理由や組織特性、歴史、NPOによるヒューマンサービス、といった基礎理論が解説されている。第3章では、NPOを経営するという視点からその事業や組織のインキュベーションが、第4章では、メディアやコミュニケーションといったトピックが取り上げられている。第5章は、ソーシャル・ファイナンスと社会的インパクト評価、第6章は、営利と非営利の関係を、企業とNPOとのコラボレーションや復興CSRといった視点から検討している。第7章は、NPOと行政の協働として、公共値領域における政府とNPOとの関係性の現状と課題が整理されている。そして、第8章では、ソーシャルセクターに関する法と制度について、NPO法や公益法人制度改革等のケースを基に解説されている。大学における学習を想定しつつ、近年のトレンドや新しいトピックもカバーされている良書である。
入門 ソーシャルセクター – ミネルヴァ書房 ―人文・法経・教育・心理・福祉などを刊行する出版社 (minervashobo.co.jp)
社会問題に取り組みたいと思っているけど、実際に何をすればいいのか分からない――。これまでのNPO/NGO論は大枠の制度や理論で説明されるものが多い。本書は、一人の気づきから行動が生まれ集団が形成されるところからはじまり、持続可能な組織運営が行われ、なんらかの社会変容に至るまでのプロセスを解説する。「動きながら学ぶ」行動派に最適なNPO/NGO論のテキスト。
目次:
はじめに
Ⅰ 参加のためのデザイン
1 ソーシャルセクターの世界――新しいネットワークの広がり
2 ユニークな行為と組織――自発性と多様性で社会とつながる
3 事業と組織のインキュベーション――事業性と運動性のバランス
4 メディアと社会的支援――情報を発信して活動をひらく
Ⅱ 続けるためのデザイン
5 ソーシャルファイナンスと評価――社会にインパクトを与える
6 企業社会とソーシャルイノベーション――企業とNPOの協働による価値創造
7 NPOと行政の協働――市民主権をかたちにする協働とは
8 ソーシャルセクターの法と制度――市民公益を実現するNPO法と諸制度
おわりに,そのつぎに
文責:小田切康彦(徳島大学)