共生社会のアトリエ

書籍のご紹介です。

著書:共生社会のアトリエ

著者:大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター 編

出版年月日:2021年4月

出版社:大阪大学出版会

ISBN: 978-4-87259-730-1 C3036

概要:

本書は、文理融合・学際性・国際性・実践性を目指した教育・研究活動を行っている大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センターにおける知見がまとめられたものである。第一部では、若手研究者を育成する教育・研究プログラムとして、全国各地の実践が取り上げられ、被災地における被災所の記録・記憶(南三陸町、気仙沼、野田村)、地域における場づくりとコラボレート(豊中市桜塚校区福祉会小さなくりの木会、ウィズアス神戸ユニバーサルツーリズムセンター、公益財団法人公害地域再生センター、大阪市港区)、貧困・排除への対応(大阪府立西成高等学校、認定特定非営利活動法人こどもの里、しょうないガダバ)、共生の在り方(北⼤阪朝鮮初中級学校、Minami ⼦ども教室、枚方市保健センター、特定非営利活動法人おおさかこども多文化センター、公益財団法人とよなか国際交流協会)、差別への抵抗(アジア・太平洋人権情報センター、とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ、MASH⼤阪、関西沖縄文庫、特定非営利活動法人クロスベイス)、等が検討されている。そして、第二部では、場の創造と対話に着目し、アウトリーチ活動、語りあう場の創造、社会とつなぐインターンシップといった大学における共創が論じられるとともに、異文化交流、世代間交流、地域における多様なまちづくり、外国人教育、等のトピックに基づく実践例(NTN株式会社・一般社団法人全国自治会活動支援ネット、野田村役場、ジャトー株式会社、特定非営利活動法人北いわて未来ラボ等など)が展開されている。当センターにおける社会との連携・協働による共創知創出の軌跡が詰め込まれた一冊である。

http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-730-1.html

社会の課題に対して実践的に答えるために、大学にできることとは――
大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センターでは「未来共生プログラム」や「大阪大学オムニサイト(OOS)協定」などの取り組みで、社学連携の推進を図ってきた。
本書では教育現場、被災地、地域交流における学びのほか、パートナー協定を結んだ企業、自治体、NPO法人と協働して課題解決に取り組んできたプロセスを描き、解決の手法を具体的に紹介する。社会と連携・協働し、共創知を創出すること、フィールドに出るだけでなく「協働・共生の場そのものを創出」することが、専門家の役割である。未来共創センターの挑戦には、そのエッセンスが詰まっている。

目次:

はじめに
第一部 地域で共⽣の諸課題の解を探る―大阪大学未来共生イノベーター博士課程プログラム
テーマ1 被災地で学ぶ
テーマ2 地域にこだわり、地域で歩む
テーマ3 貧困・排除と向き合う
テーマ4 共に⽣きるってなんだ
テーマ5 差別に抗う
第二部 場を創りだし、みなで対話する―大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター
テーマ1 大学における共創の場
テーマ2 大学だけではない共創の場
おわりに

文責:小田切康彦(徳島大学)