東日本大震災と災害ボランティア

書籍のご紹介です。

著書:東日本大震災と災害ボランティア―岩手県野田村、復興への道

著者:渥美公秀,貫牛利一 編著/石塚裕子,李永俊,河村信治,大門大朗,寺本弘伸,外舘真知子,永田素彦,宮前良平 著

出版年月日:2021年4月

出版社:大阪大学出版会

ISBN: 978-4-87259-643-4 C1336

概要:

本書は、東日本大震災において被災した野田村において、著者らが住民と協働しながら取り組んできた復興まちづくりの記録である。第1部では、著者らと野田村との出会いとボランティア活動を通じたつながり、大学の市民との協力活動、村における震災の記録、村での学生ワークショップの展開、地域見守り活動、写真返却お茶会、といったケースが紹介される。また、村民アンケート調査を基に、住民の生活実態や復興に対する思い等が明らかにされている。第2部では、大阪大学の取り組みとして、被災地に置いて研究・教育活動を展開する拠点となっている「野田村サテライト」の取り組みが紹介されたうえで、今後の復興に向けた新たな活動の在り方が検討されている。

http://www.osaka-up.or.jp/books/ISBN978-4-87259-643-4.html

全く縁もゆかりもなかったところに、全く知らない人がやってくる。お金のやりとりはない。それなのに被災地のために一生懸命活動する。何ならお礼を言って帰っていく。よくわからない人たちである-東日本大震災の被災地・岩手県九戸郡野田村で震災直後から現在まで行われている災害ボランティア活動。中心的な役割を果たしたのは外部者と被災住民が協働で立ち上げた「チーム北リアス」であった多くのボランティア活動が単発かつ外部者からの援助に終始する中、「チーム北リアスとして被災者と外部者が協働する際の知見や被災者とともに被災地の課題を解決するための実践的手法を紹介し、災害ボランティアの魅力と復興への道筋を考える。 

目次:

はじめに
第1章 50にして天命を知る
第1部 チーム北リアスの活動
第2章 野田村との出会いとボランティア活動
第3章 チーム・オール弘前―大学と市民の協力の力―
第4章 野田村で学生ワークショップを続ける意味
第5章 住民とボランティアが協働する地域見守り活動
第6章 記憶の復興―写真返却お茶会の10年―
第7章 村民アンケート調査から見えた生活実態と復興感
第2部 大阪大学の取り組み
第8章 被災地での教育・研究・活動拠点「野田村サテライト」
第9章 復興に向けた新たな活動に伴走する
おわりに

文責:小田切康彦(徳島大学)