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書籍名:首都、東京の都市政策とソーシャル・キャピタル:地域振興と市民活動政策のQOLを高め、23区格差を改善するガバナンスの実現
著者名:戸川 和成
出版社:晃洋書房
発行日:2022年11月20日
A5判 256ページ
定価 3,000円+税
概要:
本書は、 東京23区を事例に、都市間のソーシャル・キャピタル及びガバナンスの構造の違いが、政策パフォーマンスに及ぼす影響の実証を試みた意欲作である。まず第1章では、東京23区におけるQOL及び政策パフォーマンスの都市間格差という本書の問題意識や、東京23区内における政策満足度に格差が生じている実態が示唆される。 第2章では、分析枠組みの俯瞰図として、ガバナンス論及びソーシャル・キャピタル論からのアプローチが提示される。第3章では、政策満足度の説明要因として、ガバナンス論とソーシャル・キャピタル論を接合させた6つの仮説が導出される。これらの仮説の検証に用いた4種類の調査分析データに関する説明が行われるのが第4章であり、第5章から第7章以降で実証分析が展開される。ソーシャル・キャピタル要因がガバナンスに及ぼす影響、そして、その両者が政策満足度に及ぼす影響について計量分析が行われ、6つの仮説が実証されたこと、また、市民社会組織の自治体信頼、結束型自治会活動、住民同士のつきあい、橋渡し型団体活動、協働、ネットワーク管理、といった多様な要因が、各区における政策満足度の水準に影響を及ぼしていること、等の知見が導かれている。 そして終章では、本書の意義と、QOL格差をより詳細な「地帯」レベルから分析する必要性といった今後の研究課題が論じられている。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784771036925
紹介:
東京は首都として政治・経済・社会の中心である。本書は首都機能が東京23区に集中する巨大都市・東京を生活都市へと実現させるために必要な都市政策のしくみをソーシャル・キャピタル論と都市ガバナンス論から検討し、東京23区のQOL格差の改善方法を提言する。
目次:
はじめに
第1章 都市社会に起きる東京23区のQOL格差の問題
第2章 なぜ,東京23区の都市政策を市民社会アプローチによって論じるのか
第3章 より良い暮らしを実現させる都市政策のQOL改善のしくみとは
第4章 巨大都市・東京の地域社会運営をどのように測るのか
第5章 東京23区のQOL格差を改善するソーシャル・キャピタルとガバナンス
第6章 ソーシャル・キャピタルの世代間継承はガバナンスのQOLを改善させるのか
第7章 東京23区のQOL格差を是正する都市政策の制度設計に向けて
終 章 世界都市・東京の地域社会運営を隈なく比較する
文責:小田切康彦(徳島大学)